都市開発シミュレーションに関する妄想

学生のころからずっと頭の中で妄想していることがあります。

言葉にしずらいのですが、端的に言うと運送と都市成長の関係に関する漠然とした興味です。

※このエントリはそんな僕の妄想をだらだらと垂れ流すことによって頭の中の大部分を占めているもやもやを外に吐き出すために作成されるものであって、他人に読まれることはあまり想定していません。最終的にはこんなシミュレーションソフト(ゲーム?)が欲しいなあみたいな話になります。

たぶん明確にその分野に興味を持つきっかけになったのはSimCity4をプレイしたことだと思います。SimCityはその土地の市長となって道路や鉄道などの交通手段、学校や警察署などの公共機関を設置して住人を集め街を発展させるゲームです。のちに発売された拡張パックの副題「ラッシュアワー」が示す通り、交通渋滞や排気ガスによる大気汚染の問題などをどうやってクリアしていくか、というあたりに主眼が置かれているように思います。

一転、どうやってそこに道ができていくのか(僕的には道というのは個々人が好き勝手に移動することによって自然発生的にできるものだという考えがある)、どうやって特定の分野に特化した商業地区が発生するのか、などといった現実に起きている現象の再現がされていません。僕はSimCityをプレイしながらそこにずっと不満を持っていました。

つまり、僕の中では都市というのはそこに住む個々人のミクロな、かつそれぞれが自分勝手な生活活動を行うことによって自然発生的に成長するものであって、僕はそういう成長の過程を見たいわけです。さらにいうと、そういう自然成長している都市に対して、意図的な介入(高速道路やリニアの建設、貨物列車の延伸など)を行うことによってその成長過程がどう変化するのかに興味があるわけです。

(写真は関係ないです。広島県 鞆の浦)

こういう発想になったのはたぶんいくつかの原因があると思います。思いつくところでは

  • どこの大学も周辺には学生街という特殊な賑わいがあることを目の当たりにした
  • 大学の最寄駅の周辺が在学中に急速に発展していった(ちょうどそこにキャンパスができて間もないころに入学したのでその成長が顕著にみられたのだと思います)
  • 秋葉原のような特殊な分野に特化した商業地区を見た
  • 貨物列車の長い踏切を待ちながらその貨物が運ばれていく見知らぬ土地を妄想した
  • 過疎が進む田舎の出身で、もともと人の移動(長期的な移住的な意味で)による都市の変化に興味があった
  • 現代でみると明らかに不合理な曲がった道(特に農道によく見られる)がなぜあるのか疑問を持った
  • 物理的に離れた土地の間に道が生まれ、交流が発生し、さらにその中間で宿場街が形成される過程を見たい(特にシルクロードなど大規模なものはよだれが出そうですね)

といったところでしょうか。

そういう欲求を持ちながらSimCity以外のハコモノ系ソフトもいくつか試しましたがどれも僕の欲求を満たしてはくれませんでした。

A列車で行こう9

和製の鉄道会社経営シミュレーションゲーム。主に旅客鉄道の線路・ダイヤをプレイヤーがが設置することで街が発展していく様子と、実在する日本の車両が自分が発展させた街を走る様を眺めることに主眼が置かれたゲーム。日本の鉄道会社が行っているように、鉄道だけでなく駅周辺の商業施設やバスの運行にまで踏み込んでいて、ある意味リアル。商業施設を不動産として売買することもできる。また、駅周辺の道路や建築物が基本的に自然発生していくのがいい。
また、このゲームはグラフィックがきれいで、ある程度都市が発展してくると街を眺めているだけで時間を忘れるほど。数少ない日本製のゲームで、現代日本の街並みの再現性でいうと断然トップ、いわゆるダントツだと思う。特に夜景は美しく、高層ビルの赤いランプや、電車やバスのヘッドライトの描画が恐ろしくリアル。(人が全く表示されないのはただのバグだと信じてますアートディンクさん。)
不満点としては、そもそも旅客の発生アルゴリズムが現実的でなく、周辺がより発達している駅ほど乗車量が多いのと、必ず次の駅で下車してしまう点。つまり、朝と晩で往復する旅客の合計が合わないし、旅客は(たぶん)単純に量的な数値として表されていて個人個人の目的地などが設定されてシミュレーションされているわけではないのがつまらない。また、物資輸送の要素も少しだけ盛り込まれてはいるものの、物資の発生は専用の工場を建てることによって行われるのみだし、運んだ物資の消費はその周辺の土地に新たに建築物が発生する際にのみ行われるだけであって、地域の経済活動がシミュレーションされているわけではない。というかたぶんそんなこまけえこたぁいんだよな思想なのだと思う。

Simutrans

フリーの鉄道会社経営シミュレーションゲーム。このゲームはSimCityよりもA列車で行こうにかなり近い。プレイヤーは輸送手段を設置しながらマップ全体を発展させていく。一方で、名前からも読み取れる通り、輸送手段のシミュレーションに主眼が置かれている。例えばA列車で行こうと異なる点として、旅客個々に明確に目的地が設定されている。これによって各路線をどうつなぐのか、遠い地域間の輸送を効率よくするにはどうすればいいか、などの工夫のし方が生まれる。このゲームは旅客だけでなく、郵便・物資の輸送もターゲットに含まれる。物資はA列車とは異なり、ある建築物から発生し、中間消費先・最終消費先が存在するのでそれをサプライチェーンでつなぐ必要がある。また、道路を含む街が自動的に発展していくのも現実と合っている。ちなみにグラフィックはSimcityやA列車で行こうと比べるとお察しな感じです。フリーだから仕方ないね。
このゲームの不満点は、せっかく物資サプライチェーンの仕組みがあるのにその完成度が中途半端で残念だ、ということです。物資は同じ名称(例えば石炭)でも生産地と消費地が明確に定められていて、例えば採掘場Aからは発電所Xへ、採掘所Bからは発電所Yへという割り付けがされているので、採掘場Aと発電所Yを結んでも輸送されない。これはたぶんこのゲームの輸送処理の実装上、物資も旅客と同じアルゴリズムで動いていて、必ず唯一の目的地が設定されているからだと想像している。結局のところこのゲームも実際の経済活動がシミュレーションされているわけではないので、ずっと遊んでいるとやっぱり物足りなさを感じてしまう。

 

僕の考えた最強のシミュレーションゲーム

(ええ、写真は関係ないです。東京都 秋葉原)

さて、既存ソフトの不満をだいぶ放出したので、ここからは僕の理想とするシミュレーションゲームのイメージを書き出していきたいと思います。

ゲーム内に登場するヒト・企業(オブジェクト)はすべてシミュレーションされる

やっぱりこれは大前提。つまり、一人ひとりが所属する会社なり学校なりに通退勤するし、企業はそこに住んでいる人を雇って商売をするわけです。ヒトはいくつかの欲求を持って消費行動をするし、企業はその消費行動によって利益を得る。ヒトやモノが移動するにはコスト(これは金銭的なコストもあれば時間的なコストもあります。ヒトの場合は使用する体力もコストかもしれません)がかかるし、各オブジェクトはそのコストをなるべく最小限に保つようにふるまうわけです。

例えばヒトはほっておいてもおなかが減るので食事を摂ろうとする。そのために食料品店を利用したりレストランに行ったりする。また、自分の趣味を持っていて、休日には趣味に関する消費行動をとる。そういった消費行動をするためにはお金が必要なので、所得を得るために仕事をする。さらに、例えば大学生は学校の近くに引っ越したり、その周辺でアルバイトをしたりします。そういう、通常の社会で行われている経済活動がある程度のリアリティを持ってシミュレーションされます。

この「ある程度のリアリティ」がミソです。完全にリアルな人々の生活をシミュレーションしていたらスパコンが何台あっても足りないでしょう。しかも歯にはさまったほうれん草なんかをシミュレーションしたところで都市の形成にはなんの影響もありません。たぶん。

ある程度の、とはつまり都市形成に影響のなさそうなものはざっくりと切り落としつつも、ヒト一人ひとりの生活によって都市が形成されていることを前提として都市の形成に影響がありそうな営みは積極的にシミュレーションしていくということです。

企業は、提供するサービスの需要や、周辺の状況、仕入れ先との距離などを加味して出現する

周辺の状況というのは、例えば一次産業ならその土地が重要ですし、それ以外でも駅からの距離、同業者との距離などが影響します。一般に、同業者と近い立地は集客力の向上につながるので好まれますが、ある程度離れると客の奪い合いになるので嫌われます。さらに遠くに行くと、それぞれの地域で客を分けあえるのでまた好まれる方向に働きます。しかしこの傾向は業種によっても異なります。例えばスーパーマーケットは密集していても客の奪い合いになるだけなので、近くに出店することはあまりないです。このようにいくつかのパラメータを業種ごとに設定することで、業種に応じて出現しやすい位置が変わるようになります。

これの実装方法としては、ヒトが何かしらの欲求を感じたとき、その場の周囲に「欲求エネルギー」なる数値を放出することでカウントしていきます。この「欲求エネルギー」は物やサービスごとにカウントされていてマップ上に分布として存在します。企業はその「欲求エネルギー分布」を参照してコストを算出します。

企業間の取引(サプライチェーン)もシミュレーションされる

この企業間のつながりも自動的にコストの低いものが選択されます。企業は仕入れるものと売るもの(つまり入力と出力)は決まっていますが、利益は各企業の努力によって変わります。各企業は仕入れたものの在庫が少なくなると新たに発注を行うことによって事業を継続します。このシミュレーションゲームの仕様で重要なのはここだと思っています。つまり、各企業がそれぞれの利益を追求して行動した結果、どういう特徴のある都市が出来上がるのか。ここが僕にとって一番興味があるところです。ありていに言えば秋葉原や原宿のような濃~い街を、シミュレーションによって出現させたいわけです。

現実社会では、各企業が新たに新製品を出したり、使用原料を減らしたりするような、入出力が変化することもあると思いますが、現状はそこまではシミュレーションする必要は感じていません。

道は自動的に生成される

徒歩も車も道以外のところを移動することができて、踏み固められることによって徐々に道になっていく。というノリです。道には数段階のランクがあって、交通量が多くなると上位のランクに上がっていきます。上位のランクほど移動速度が早くなります。

交通手段は普通の道以外にも高速道路や鉄道などがあって、これらは自動的には設置されずプレイヤーの手によって設置されます。また、自動設置される通常の道についてもプレイヤーは自由に設置や撤去ができます。このシミュレーションの醍醐味はこの点にあります。つまりアリの巣はアリに作らせるが、アリの移動経路にちょっかいを出す事によってアリたちの社会に生じる影響を見て楽しむ感じです。

また、大学や総合病院などの住人にとって影響のある施設もプレイヤーが設置できます。手動設置なのか自動出現なのかの線引きは難しいですが、イメージ的には行政が設置するものは手動設置でしょう。

ただし、郵便局、消防署、警察署などは(少なくとも最初のうちは)不要でしょう。家を選ぶときに消防署が近くにあることを優先する人ってあまりいませんよね?

とりあえずのまとめ

一通り頭の中にある妄想を書き出してみました。ゲームというよりは都市形成シミュレーションだと思います。これが実現したとして楽しいのかは分からない。でもやっぱり実現させてみたいです。大学周辺の学生街や秋葉原のような濃ゆい街が形成されていく過程を見ることがてきれば本望です。

参考文献

自己組織化の経済学

郊外に複数の都市が形成されていく様子を表現する「エッジシティモデル」や類似の都市形成モデルが解説されている。同業者が一極集中する仕組みもわかる。
※このエントリは妄想が捗ったときに随時加筆修正していくつもりです。

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